多くの事業が苦戦し、何百万人もの米国人が失業している。だが新規株式公開(IPO)市場は近年にない盛況ぶりだ――2020年は史上最高の年になるかもしれない。今年もあと3カ月となる中、調査会社ディールロジックによると、米国市場IPOで調達された資金は23日までに合計950億ドル(約1兆円)弱に達した。2014年を除けば、IT(情報技術)バブルだった2000年以降の全ての年を上回る水準だ。960億ドルが調達された14年にも迫りつつある。14年の調達額のうち4分の1余りは中国の電子商取引大手アリババグループによるものだった。銀行関係者や弁護士、企業幹部は、この熱狂的なペースが続けば、2020年は1999年と2000年のITブームを抜くとみている。ITブーム当時、投資家は急成長するインターネット株に夢中で資金をつぎ込んだが、やがて株価は地に落ちた。