人民元の対ドル相場は力強く上昇しており、7-9月期の上昇幅は四半期ベースで10年以上ぶりの大きさに達する勢いだ。中国経済に対する楽観的見方が強まっているほか、同国の金利が相対的に高いことが追い風となっている。元は7月初めから9月25日までに対ドルで3.7%上昇した。ファクトセットのデータによると、これは四半期ベースで2008年前半以来の上昇幅。それを上回る上昇を演じたのは1970代と80年代のみで、中国が94年に人民元改革を実施するよりはるかに前のことだ。ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントのジェーソン・ブレーディ最高経営責任者(CEO)兼プレジデントは、中国が最も早く新型コロナウイルス流行に見舞われつつもそれを封じ込め、経済が底堅く推移していることが寄与していると指摘。「われわれが目にしているのは力強い中国経済で、それが元高要因の1つだ」と話す。