文系のなかには、理系コンプレックスを抱えている人は少なくありません。しかし、「読書においては文系がまさっている」と、この本に出合うまではそう思っていました。しかし……。新刊『理系読書 読書効率を最大化する超合理的サイクル』は、理系が実践している合理的な方法を読書に応用した技術です。著者は、東大生500人以上、医大生を2000人以上輩出した元駿台予備学校ナンバーワン化学講師で、バリバリの理系。本をまるで理科の実験のように扱い、最短最速でスキルハントする。インプットとアウトプットが速すぎて、これにはもうお手上げです。「速く読むこと」や「大量に覚えること」を目的とする読書術とは、一線を画した内容。最短最速で著者の経験知やノウハウを自分の頭にインストールし、自分の問題解決に役立てる至極の読書術です。

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「全部読まないともったいない」というマインドセットを捨てる

「せっかくお金を払って買ったのだから、全部読まないともったいない」という気持ちもわかります。

 私も以前は同じ考えでした。しかし、「読書は問題解決のためにある」ことを意識してからは、もったいないという考えを捨てました。

 ビジネス書は1冊1500円前後。200~300ページほどの本を丸ごと1冊、一言一句丁寧に読むのに、数時間かかってしまうこともあります。途中まで読んだところで時間的余裕がなくなり、何日か空けて読書を再開するということが続くと、読了まで数週間以上かかります。読了できずにほったらかしになってしまい、結局何も身につかなかった経験も一度や二度ではありません。

「1冊の本は必ず読み切る」「読み終わらないと気持ち悪い」というマインドセットでいると、読了まで具体的な行動に移すことができないのです。

 これはある意味で大きな機会損失です。読了までの数時間か数日、あるいは数週間、問題解決に取り組むチャンスを逃してしまうので、それこそ本当にもったいない行為です。

 一方、本から自分にとって必要な部分だけを抽出し、情報を得た後すぐ行動に移したらどうでしょうか。問題を解決するまでの時間を一気に短縮できます。

 時間がとても貴重な今の時代では、この本の使い方が、よほどお得です。

 したがって、1500円の本のうち、100円程度に相当する分量しか読まなくてもいいのです。ちょっとだけ読んですぐに実行に移したほうが、結果的に大きなリターンを早い段階で得られるからです。

 そのため、「全部読み切らなければ」というマインドセットを意識的に捨てています。今では、「全部読んでいたら逆に時間がもったいない」です。

 レストランのメニューと一緒だと考えましょう。レストランに入って、メニューを頭から順に読んでいく人はいません。たいていは自分の好みのジャンルが載っているページを開き、その中から今日の気分に合った1品を探します。最終決定で迷うことはありますが、一度決まったら、もうメニューは用なしです。

 最後のページまで几帳面に読むこともありません。

 読書も同じです。

・自分にとって入手したい情報を決めておき、それを探すためにページをめくる
・必要な情報を入手したら、本を閉じて行動に移す

 そんな読み方が、本のコストパフォーマンスを最も高めてくれる読み方なのです。