「速く読みたい」「効率的に読みたい」「読んだ内容を覚えておきたい」など、速読&記憶術ニーズは読書術にはつきものですが、『理系読書 読書効率を最大化する超合理的サイクル』は、まったく新しいアプローチで読書における問題を解決するものです。文系が知らない、理系ならではの学習サイクルを読書の応用したもので、読書の本質に迫った「理系脳読書術」です。苦手意識を持っていた読書に対して、どのように克服し、どうしたらもっと読書がたのしくなるのか、紹介します。
速読も多読もできないと諦めていた過去
「どうやって、あんなに速く本を読むのだろう……」
「なぜ、読んでもすぐに忘れてしまうのだろう……」
「どうしてあんなに本をたくさん読めるんだろう……」
かつて私は、読書に対してこのような悩みをもっていました。周囲の読書家に比べて、本を速く読めないし、読んだ本の内容も頭に残らない。読書に対し、ある種のコンプレックスを抱えていました。
「読書が苦手なのは諦めるしかないか……」
会社に入ってからしばらくの間はそう思っていました。本をたくさん読みたかったのですが、予備校講師という職業は一日の労働時間が非常に長く、読書する時間を捻出することがなかなか難しいのです。それならば1冊を速く読むしかないと、速読を身につけようと試みたこともありました。
本のページを1枚の画像のように脳に記憶させる方法、すばやく眼球を動かす方法、キーワードだけを拾い上げる方法など、いろいろな速読法を試しましたが、そのどれも習得するまでに至りませんでした。
速読法を試した直後は何となく速く読めるような気にはなるものの、実際には全然頭に残らず、本の内容を使いこなすこともできなかったのです。
そんなあるとき、理系の読書家で、かつ同じ職場の大先輩の言葉で読書に対する考え方が一変しました。