同社では2003年の「AMBITIOUS JAPAN!」キャンペーン以来となるCM発表会というから、力の入れようも分かるというもの。

 また「ずらし旅」公式サイトでは、路地裏研究家や絶景プロデューサー、グルメタクシードライバーなど、独自の視点を持ったアドバイザーによる100個の「ずらし旅」を提案。一般から「ずらし旅」のアイデアを募集するキャンペーンや、公式Twitterアカウントをフォローするとオリジナル電動アシスト自転車が抽選で当たるキャンペーンも行っている。

 JR東海の観光キャンペーンといえば「そうだ 京都、行こう。」が有名だが、新型コロナウイルスの影響で今年に入って新しい展開をしていない。JR東海の利用促進は当面、「ずらし旅」が一手に担うことになる。

日本人の国内旅行が
伸び悩む理由

 実はこのキャンペーン、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていたことから、ほとんど認知されていなかったが、7月に始まったものである。

 キャンペーンと連動した旅行商品も設定されており、「Go To トラベル」キャンペーンの対象となるパッケージ形式で発売している。

 東京では「ドコモ・バイクシェア1日パス」、大阪では「大阪水上バスアクアライナー周遊券」、京都では「建仁寺朝の先行観覧」や「法観寺八坂の塔の時間外観覧」などの特典も付いて、「ずらし旅」に利用できるというものだ。

 東海道新幹線の利用者数は、8月は対前年同期比25%、9月は23日までで同38%と厳しい数字が続くが、9月19日から22日の4連休は同52%と久々に光明が見える数字を記録したという。10月から「Go To トラベル」キャンペーンの対象に東京が追加されることが決まったことから、JR東海は旅行需要の回復に期待を寄せている。

 新型コロナウイルスは私たちの生活様式を根底から覆そうとしているが、ある面から見れば、これは私たちの社会に起きつつあった変化を後押ししているにすぎないのかもしれない。

 みずほ総合研究所が今年6月1日に発表したレポート「コロナ禍の観光振興」では、2019年の国内における旅行消費額は27.9兆円で、そのうち訪日外国人旅行者消費額は4.8兆円だったというデータを挙げ、当面期待をかけにくい訪日外国人旅行客よりも、規模の大きい国内旅行のマーケットの振興に力を入れるべきだと説いている。その上でネックとなるのが、国内宿泊旅行の日数が短いことだという。