「一見それほどでもない症状でも、実は放っておくとこわい症状も少なくないのです。最初は気にもとめないわずかな症状が、放っておくと、取り返しがつかない大病になることもあります」。そう話すのは、テレビでも人気の総合内科専門医・秋津壽男氏だ。体からのSOSサインに気づかず、後悔することになってしまった方をこれまでたくさん見てきたという。秋津医師の新刊『放っておくとこわい症状大全~早期発見しないと後悔する病気のサインだけ集めました』は、まさにこうした病気で後悔する人を少しでも減らしたいという想いから生まれたものだ。9月16日に発売となった本書の内容を抜粋するかたちで、自分や家族の健康チェックに役立つ情報を紹介していく。

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なぜ、油ものを食べたときだけ痛むのか?

 食後、とくに油ものを食べたあとに右わき腹が痛む場合は、胆石を疑ってください。胆石とは胆のうにできる石です。なぜ胆のうに石ができるのか、それには消化のしくみが関係します。

 私たちの体は、肝臓が出す胆汁という液体を使って脂質を乳化し、小腸で吸収しています。胆汁は、いざというときのために5~10倍の濃さに濃縮され、胆のうで一時保管されています。脂肪分の多い油ものを食べたときには、この倉庫から一気に胆汁が放出され、分解を手助けしてくれるのです。

 この胆汁が、ねっとりと固まってきて、周りにカルシウムが付いてカチカチになったものが胆石です。胆石は、以前は胆のうがんの原因といわれましたが、今ではあまり関係ないことがわかり、とくに悪さをしないなら、そのまま放っておいてもよいとされています。

 しかし胆石が、胆のうから胆汁が出ていく管に入ってしまうと痛みが出てきます。油ものを食べて、胆のうが胆汁を出そうとギュッと収縮するたびに、石が管を傷つけて痛みが出るのです。完全に出口が詰まってくると、胆のうや胆管がパンクして破裂し、腹膜炎によって命を落とすこともあります。

 パンクしてからでは手遅れになることもあるので、油ものを食べたあとにだけ右わき腹あたりが痛くなるようなら、胆石を疑い、すぐに病院に行きましょう。

 ちなみに、胆石になりやすい人の特徴として「4つのF」があります。Forty(40代)、Female(女性)、Family(家系)、Fat(肥満)です。この条件に当てはまる方は、健診の際に、オプションで胆のうの超音波(エコー)検査を加えるといいでしょう。

(本原稿は、秋津壽男著『放っておくとこわい症状大全』からの抜粋です)