「話を聴いていると気持ちが奮い立ってきます、ジュリアン。……ひとつおききしたいんですが、本物の人生をおくりたいのであれば、わたしたち一人ひとりに、見つけてしたがうべき特別な天職というものはあるのですか?」
「いい質問だ。その答えはだれにもわからないんじゃないかな。だが、多くの人はわかったふりをしているんだ。覚りをひらいていないかぎり、その答えはわからない――人生がどう展開すれば正しいと感じられるかを理解する方法を見つけるのが精いっぱいだろう。
わたし個人としては、われわれが生まれるまえに書かれた、きわめておおまかな生涯計画があると信じるに到ったよ。いうなれば、運命だな。いったように、わたしは、人生の最後を迎えるまでにはだれにも大量の選択肢があり、われわれの特別な選択によって最高の運命が生まれるとも信じている。……いろいろな意味で、われわれは夢見た人生をおくることができる。
人間として、起きるすべてをコントロールできないことには疑問の余地がない――それはどうにもならない運命の部分だ。……だが、人生がおくりこんでくるものにどう反応するかは、十分にコントロールできる。……いったん最善をつくしたら、あとはほうっておいて、なにが起きても、それは最高の自分に成長するために必要不可欠なものであると信じるんだ」
「つまり、あなたが提案しているのは人生の目的なんですね、ジュリアン?」
「ああ、わたしは人生の目的は成長と思いだすことだと思っている。成長して、最初、すなわち生まれたとき――もっともすぐれた特色を汚してしまう身のまわりのありとあらゆるがらくたを引き受けるまえ――は、すばらしい生き物だったことを思いだすんだ。……」
「特別な天職や運命をもっているかどうかについて、まだ確信がないんです、ジュリアン。複雑な領域で、大きな疑問であるのはわかっていますが、わたしにとっては重要なことなんです。わたしがするように運命づけられた特別な仕事があるんですか?見つかるように運命づけられた特別な女性がいるんですか?そういった点について、ちょっと教えていただけませんか?」