奨学金
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奨学金の借り手に
不利な和解条件

 9月某日午前10時、東京地裁6階の小さな法廷で、独立行政法人日本学生支援機構が起こした奨学金の取り立て訴訟が開かれていた。被告席に座る不安そうな表情の女性Aさん(20代)を横目に、事務的な口調で裁判官が和解条項を読み上げる。

「被告は原告に金448万7000円を支払う義務がある。ただし令和2年10月から22年4月まで毎月末日までに1万9000円を支払うこととする。支払いを3万円以上延滞した場合は当然に期限の利益を失う」

 5~6分で閉廷し、支援機構の弁護士は忙しそうに法廷を去った。Aさんは不安そうな表情で被告席を立った。

 Aさんは大学進学の学資として、準備金50万円と月8万円、計434万円を日本学生支援機構に借りた。卒業は2015年春。同年10月から35年9月まで20年をかけて、毎月1万9000円の月賦で返還をする予定だった。しかし、卒業後収入が思うように得られず、2年で行き詰まる。返還猶予が認められ、いったん安堵(あんど)する。