5月といえば前月中旬に新型コロナによる緊急事態宣言が発出され、その解除までの間に国内の経済が大きく停滞した影響が表れる時期だった。多くの小売店が臨時休業となったほか、大手メーカーの工場も一時休止するなど、倒産が増えても不思議ではないタイミングだった。

 しかしふたを開けてみると、5月の倒産件数は過去最少を記録。これには、倒産手続きを扱う裁判所や弁護士事務所の業務も新型コロナで影響を受け、倒産手続きが一時的に滞ったことが背景にある。その反動から6月・7月の倒産は一時的に増加した。 

 だが、8月・9月に入ると再び減少に転じた。特に9月は前年同月を1割以上下回り、結果として2020年度上半期の倒産は2年ぶりの前年同期比減少となった。

景気が冷え込んでも
倒産が減少した理由

 一般的に、景気と倒産には一定の相関関係があり、景気が悪化すれば倒産が増えると考えられている。しかし、リーマン・ショック後もそうだったが、この定説が覆るようなことが起きている。

 2000年度以降で最も倒産件数が多かったのは2008年度の1万3234件だった。サブプライムローン問題からリーマン・ショックへと続いた時期で、この年は上場企業の倒産だけでも45件に上った。

 世界的な不況下にあったこの時期、国内景気も一気に冷え込み、TDB景気動向調査での景気DI(景況感を示す指数)を見ると、2007年初旬には45程だったが、その後下降線をたどり、2009年1月には20を割り込むまで悪化した。

 その後も景況感は厳しい状況が続き、年後半でも25前後で推移、それ以降やや持ち直したものの2012年に入ってからも35前後で推移していた。