もし今年、中古車販売が新型コロナウイルス流行の収束後に回復すると見込んでいたなら、カーマックスが論理的な投資先となったはずだ。200以上の店舗網を持つ全米最大の中古車ディーラーで、大規模なレンタカー事業も手掛け、黒字経営の実績がある。だが、株式市場の見方は違うようだ。販売台数がカーマックスの半分にも満たないオンライン中古車販売のカーバナは、従来型店舗を使わず、赤字を出し続けている。ところが同社の時価総額は、2019年末にはカーマックスを若干下回っていたが、現在では2倍以上の370億ドル(約3兆9200億円)に達している。このパフォーマンスの差は、経済の幅広いシフトの縮図を示している。有形資産や従来の関係性よりも、デジタルプラットフォームやソフトウエア、その他の無形投資が価値の源泉となりつつあるのだ。
「アセットライト」加速、コロナ禍の企業モデル
ブランドや研究開発といった無形資産の価値が一段と高まっている
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