感染リスク高まるユトレヒト
カメルーン選手でコロナ陽性相次ぐ中の代表戦

 しかし、日々変化する感染状況が予期せぬ事態を引き起こした。5日の活動開始を前にしてユトレヒトが感染リスクの高いエリアに指定された結果、感染防止へ厳しい措置を取るドイツのブレーメン州がユトレヒト滞在者の入州後に5日間の自主待機期間を求めることを決めたのだ。

 こうした状況を受けて、FW大迫勇也が所属するヴェルダー・ブレーメンが招集の再考を申し入れてきた。しかし、JFAが今回の活動の趣旨を伝え、大迫自身も日本代表でプレーしたい旨をクラブ側へ伝えた結果、9日のカメルーン戦をもって日本代表を離脱することが決まった。

 ブレーメンは17日にリーグ戦を控える。カメルーン戦だけでユトレヒトを離れれば、5日間の自主待機を経ても間に合う。折衷案ともいうべき状況を、大迫は短い言葉でこう表している。

「代表チームと僕の所属チームが話し合った結果なので、それ以上のことはありません。僕としては、与えられたところでプレーするだけなので」

 カメルーン戦を翌日に控えた8日には、カメルーンの招集選手に実施されたPCR検査の結果、2人から新型コロナウイルスの陽性反応が出たことが明らかにされた。今回はそれぞれの所属先で72時間以内に受けたPCR検査で陰性が証明された選手やスタッフだけがユトレヒト入りし、キックオフの72時間前に再度PCR検査を受けることが定められている。

 カメルーンの場合は後者で陽性が出て、濃厚接触者を含めた計3人が離脱する事態が生じた。一方の日本はゼロだったことを受けて、試合は予定通りに開催されて0-0の引き分けに終わっている。

 ヨーロッパ組を含めた主力がそろっての代表戦は、昨年11月のキルギスとのワールドカップ・アジア2次予選以来となる。もっとも、代表活動の継続という競技面での意義と同時に、日本のスポーツ界全体にとって大きな意義があったと、キャプテンのDF吉田麻也(サンプドリア)は力を込める。

 「団体競技の日本代表チームでサッカーが初めて活動を再開させることを、いろいろな意味で注目される。僕たちがいい形で成功を収めて、スポーツが少しずつ本来の姿を取り戻せていけたらと思うし、その意味で僕たちの責任は非常に大きい。ピッチの内外でやるべきことに集中していきたい」