今「ブレグジット」に
何が起きているのか?
金融市場の注目は米国大統領選挙の話題で持ち切りだが、欧州では再び英国のEU離脱(ブレグジット)について、2021年以降のEUと英国の「新たな関係」を規定するための協議が、全行程を終えたにもかかわらず、結局合意点を見出せていないという現状がある。
金融市場はこれを「いつものこと」と受け止めている雰囲気もあるが、これから起ころうとしていることは決して軽視できるものではない。ブレグジットの現状と展望に関し、Q&A方式で重要と思われる論点を整理しておこう。
【Q1】ブレグジットの現状までの
経緯を簡単にまとめると?
英国は今年1月31日付でEUを離脱している。しかし、12月31日までは移行期間として、激変緩和が配慮されている。移行期間中の英国は関税同盟および単一市場の一員であるため、貿易取引に関税はかからないし、人の移動も自由である。また、EUが第三国と締結している自由貿易協定(FTA)も英国に適用される。