FRB、ECB、日本銀行はコロナ禍対応で量的緩和拡大など、大幅な金融緩和に踏み込んだ。金利水準、資金供給の面でほぼ同様の施策を取っている。こうした状況下で、為替レートはどう動くのか。特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#5では、識者8人に円の対ドルレート、対ユーロレートについて予想してもらった。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
大幅な金融緩和に踏み出した日欧米の中央銀行
現時点で金融政策は相場を動かす材料とはなりにくい
金利動向は、為替レートに影響を与える要因の一つだ。ある国の金利が上昇するとなればその国に資金が集まるから、その国の通貨が上昇する。
ところが現在、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)はゼロ金利政策、ECB(欧州中央銀行)はマイナス金利政策、日本銀行もマイナス金利政策を採用している。
マイナス金利のさらなる引き下げハードルが高いため、これ以上、政策金利が引き下げられる公算は小さい。3者間での金利差は当面は変わらない。
また、コロナ禍対応で量的緩和による資金供給を拡大し、しばらくは縮小することはないと見込まれる点も同じ。現時点での3中銀の金融政策はほぼ同じ局面にあるといえ、為替レートを動かす材料とはなりにくい。
そうした状況下で為替相場はどう動くのか。8人の識者に円の対ドルレート、対ユーロレートについて予測してもらった。