2025.1.10
「1ユーロ=1ドル割れ」濃厚、景気減速は明白もユーロ安がECB利下げの制約に
ユーロ圏の景気減速は明らかであり、ECBは利下げを継続中だ。景況感格差、金利格差から対ドルでのユーロ安が進行しており、インフレ抑制の観点からさらなる利下げの制約要因となりつつある。景気動向に合わせて利下げを継続すれば1ユーロ=1ドル、…
みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
04年慶大経卒。JETRO、日本経済研究センター、欧州委員会経済金融総局(ベルギー)を経て08年よりみずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)。著書に『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』(日経BP社、24年7月)、『「強い円」はどこへ行ったのか』(日経BP社、22年9月)、『アフター・メルケル 「最強」の次にあるもの』(日経BP社、21年12月)、『ECB 欧州中央銀行: 組織、戦略から銀行監督まで』(東洋経済新報社、17年11月)、『欧州リスク: 日本化・円化・日銀化』(東洋経済新報社、14年7月)、など。TV出演:テレビ東京『モーニングサテライト』など。note「唐鎌Labo」にて今、最も重要と考えるテーマを情報発信中。
2025.1.10
ユーロ圏の景気減速は明らかであり、ECBは利下げを継続中だ。景況感格差、金利格差から対ドルでのユーロ安が進行しており、インフレ抑制の観点からさらなる利下げの制約要因となりつつある。景気動向に合わせて利下げを継続すれば1ユーロ=1ドル、…
2024.12.20
12月19日、日本銀行は金融政策の現状維持を決め、一時1ドル157円台まで円安が進んだ。ただ、今後の政策金利の方向性は上向きである。一方、スイス国立銀行は12日に政策金利の0.5%引き下げを決定し、両者の政策金利の水準はほぼ変わらなくなった。…
2024.11.21
2024年7~9月期のGDP(国内総生産)の成長率は、市場予想を上回った。個人消費が思いのほか堅調だったことが寄与している。しかし、定額減税などの特殊要因に支えられた部分が大きく、景気の基調は強くない。景気面からは日本銀行の利上げは正当化…
2024.10.20
11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の動向に注目が集まっているが、為替市場の予測にあたって重要なのは1年後の金利動向である。1年後には米国の利下げの終点が争点になっている可能性が高い。その時点では、再び円安へと転じるとみる。円高局面は…
2024.9.21
米国の利下げを先取りする形で、ドル円は139円台をつけた。円高の要因を日米金利差とする解説が流布しているが、背景には貿易収支の赤字縮小を主因とする需給の改善もある。一方、依然デジタル赤字も拡大している。こうした構造を熟慮した上で今後…
2024.8.27
セブン&アイ・ホールディングスへのカナダのコンビニエンスストア大手による企業買収案件が明らかになった。日本の対内直接投資残高の対GDP(国内総生産)比率は、北朝鮮よりも低い。円安の今、企業買収による直接投資というカードはその重要性が…
2024.7.9
日本銀行から資金循環統計が発表された。家計金融資産に占める株式の比率は過去最高となった。筆者試算の外貨比率も過去最高だ。家計はリスク性資産、外貨建て資産への投資に目覚めたようだ。ただ、このままの傾向が続くことによる悪影響について考…
2024.6.13
円安を活用する対策として対内直接投資増大が唱えられている。雇用創出効果や輸出増も望める。日本は前向きに進めるべきである。しかし、いいことばかりではない。対内直接投資大国であるアイルランドの現状からその負の側面を検証する。
2024.5.17
円安進行に対して政府・日銀による介入観測が取りざたされ、物価への波及を防ぐために日本銀行の追加利上げへの期待も高まっている。しかし、これらは即効性こそ認められても持続性には乏しいだろう。他に手はないのか。同じく時間稼ぎの域は出ない…
2024.4.16
日本のデジタル収支の赤字が議論されることが増えてきた。GAFAが属する米国の黒字は分かるが、それ以外の国は日本同様赤字なのではないかと疑問に思う向きも少なくないだろう。だが、他の主要国と比べても日本の赤字幅は突出しているというのが現状…
2024.3.17
年初からの株高で「日本を見る目が変わっている」論が幅を利かせている。日本経済、日本企業の変革が期待されているというわけである。しかし、株高の実態は、円安から波及してきたインフレと輸出企業の業績向上に過ぎない。実質成長率は低迷してい…
2024.2.20
2024年に入っても円安に歯止めがかからない。23年の経常収支の黒字は22年に比べ大幅に増加したが、日本に円転され還流するかを基準にしたキャッシュフローベースの収支では依然赤字が続いている。日本は“仮面の黒字国、仮面の債権国”にすぎない。…
2023.11.15
継続するドル高円安の要因として日米金利差の拡大、高止まりを挙げる論調は根強い。その影響は確かに強いが、サービス収支の赤字増大による資金流出も遠因である。中でも米巨大IT企業へのプラットフォームサービスへの対価支払いなどによる「デジタ…
2023.9.25
9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では利上げが見送られた。しかし、これは利上げ停止を意味しない。米景気は予想を上回る強さを見せており、利下げは早くても24年6月以降だろう。その後円高に反転しても1ドル=135~140円止まりだろう。
2023.8.31
岸田政権は「資産運用立国」の旗を振っている。家計に現預金以外での資産を保有してもらおうということである。実際、円安と海外物価高の両面でそのデメリットを家計は認識し始めている。そのデメリットを補うためにこそ家計は円建ての現預金以外、…
2023.7.28
6月の貿易収支が23カ月ぶりに黒字になった。資源価格の下落による輸入減少が主因である。しかし、資源価格の要因や円安の要因を除いても日本の貿易収支の悪化傾向は明らかであり、構造的円安要因となっている。
2023.6.30
今年の骨太の方針では、家計金融資産を開放し、持続的成長に貢献する「資産運用立国」を実現すると記された。預貯金偏重の家計の資金を投資に振り向けることを意図している。しかし、低成長ゆえに預貯金偏重になった因果関係を認識した上で策を講じ…
2023.5.9
貿易収支の赤字は定着した。海外からの配当金や利子の収支である第1次所得収支の黒字で経常収支の黒字を確保はしている。しかし、その黒字のうち外貨から円に転換されるのは半分程度だ。貿易赤字による海外への資金流出額はカバーされず、需給面で…
2023.3.3
米国のインフレは高止まりの気配はあるものの、ピークはつけつつある。一方、ユーロ圏の物価はピークをつけたとは判断しがたい状況にある。その差は金融政策に表れる。FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げ幅を縮小したが、ECB(欧州中央銀行)は当…
2023.2.3
2023年は円高ドル安の年となるといわれていた。しかし、22年11月以降の円高反転時からみても大きく円高は進んでいない。名目で円高進んでも実質ベースでみれば依然、歴史的低水準にある。
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