インバウンド需要の激減で
不透明感が強まる商業地

 商業地は新型コロナの影響が最も大きかった分野だ。地価押し上げの大きな要因となっていたインバウンド需要が今年に入って激減し、不透明感が強まっている。訪日外国人客がほぼ消滅したことに加え、緊急事態宣言などによる外出自粛や店舗への休業要請で国内の経済活動も大幅に停滞した。

 かつてホテルや商業施設用の不動産取引が活況だった地方の観光地や、東京の銀座や新宿、大阪の道頓堀付近など、繁華街エリアにおいて値下がりが目立つ。

 最高価格は東京都中央区の「明治屋銀座ビル」で、1平方メートル当たり4100万円。また、最も上昇率が大きかったのは住宅地、商業地とも、リゾート開発が活発な沖縄県宮古島市でプラス30%を超えた。

 地域別では地方圏と名古屋圏の下げが大きい一方、札幌、仙台、広島、福岡の底堅さも目立つ。三大都市圏より高利回りを求めた投資マネーが流れ込み再開発が進んでいるためだ。

 ホテル投資は今後しばらく冷え込むことになりそうだが、心配ない。そもそも都市部のホテル用地は新築マンション用地取得と競合しており、昨今は取得単価の高いホテルが圧勝してきた。そのため、新築マンションは年々発売戸数を減らしており、ホテルが撤退してもマンション用地に取って代わるだけだ。

 東京・銀座に象徴される商業地も、仮に現在の店舗が撤退してもニーズは高く、多少の賃料下げはあってもすぐに埋まるだろう。

コロナ前の活況に
戻りつつある住宅地

 東京、大阪、名古屋の3大都市圏の住宅地はすべてマイナスとなり、東京、大阪が下落したのは7年ぶり、名古屋は8年ぶりだ。

 また、地方圏は住宅地がマイナス0.9%と下落幅が拡大。札幌、仙台、広島、福岡の4市は住宅地がプラス3.6%、商業地がプラス6.1%といずれも上昇を維持したものの、伸び率は縮んだ。

 ところが現場は活況だ。