損益計算書はこうなっている

カノン 先生、いきなりですか。何だか頭痛がしてきました…。

林教授 面食らうのは仕方がないことだ。だがね売上高と当期純利益が損益計算書の全てではないんだよ。君に知ってもらいたいのは、この決算書が情報の宝庫ということだ。当然、それなりに複雑にはなる。

カノン 正直言って、見当もつかないし、興味もありませんでした。

林教授 情報を読み取ろうとする強い気持ちがないと、単なる数字の羅列としか見えない。「心ここにあらざれば見れども見えず」と言うじゃないか。

カノン 私みたいな会計の知識がゼロの素人でも読めるようになりますか?

林教授 もちろんだよ。上の図をよく見てくれないか。網かけの部分が損益計算書の利益だ。

カノン 売上総利益、営業利益、経営利益などですね。

林教授 それから、損益計算書の利益は1年間とか1ヵ月といった一定期間の利益のことだ。継続企業の公準で説明したのを覚えているね。

カノン そうでしたね。うっかり忘れるところでした。

林教授 期間利益はどうやって計算するか。それは、期間収益(売上)から期間費用を差し引くんだ。問題は、期間収益と期間費用は別々に計算するという点だ。

カノン 例えば、売上総利益は売上高から売上原価を差し引いて計算するのですね。

林教授 その通り。寒暖計を使って期間利益の意味をもう少し詳しく説明しよう。