9人組ガールズグループ「NiziU(ニジュー)」を誕生させ、日本中で大きな話題となったオーディション番組「Nizi Project」。この番組は世代を超え、若者だけでなくビジネスパーソンの間でも人気となっている。本連載では、人事領域のプロフェッショナルとして、人事・マネジメントの観点からNizi Projectの魅力の一つ「原石を発掘して磨いていく仕組み」について解説する。5回目となる今回は、参加者である彼女たちを、よりその人らしく輝かせる育成方針について。なぜプロデューサーのJ.Y. Park氏は、彼女たちの本来の持つ個性を大切にするのだろうか。(LINE People Partner室 People Experience Designer 青田 努)
J.Y. Park氏が何度も伝えたメッセージ
「誰かのマネではなく、自分らしくある」
本記事では、Nizi Project参加者の才能を開花させるために必要な、成長支援のスタンスについて解説する。Nizi Projectの人材輩出システムの図だと、以下の虹色で囲った「本人の自己開示×解放する→真正性」に該当する。
既に地域予選の段階からJ.Y. Park氏は、何度も同じようなメッセージを伝えていた。それは、「誰かのマネではなく、自分らしくある」こと。
自分らしさを理解し、自分にプライドを持ち、誰かほかの人の方法ではなく、自分らしい方法で持ち味を生かすこと。これは「オーセンティシティ(Authenticity=真正性)」や「ホールネス(Wholeness=全体性)」に近い概念として、ここ数年でビジネスシーンでも耳にするようになってきた。
例えば、オーディションに通過するために自分を評価者に合わせるように振る舞う参加者や、自分らしさを十分に発揮できなかった参加者に対して、J.Y. Park氏はこう伝えている。