9人組ガールズグループ「NiziU(ニジュー)」を誕生させ、日本中で大きな話題となったオーディション番組「Nizi Project」。この番組は世代を超え、若者だけでなくビジネスパーソンの間でも人気となっている。本連載では人事領域のプロフェッショナルである著者が、人事・マネジメントの観点から、Nizi Projectの魅力の一つ「原石を発掘して磨いていく仕組み」について解説する。3回目の本記事ではプロデューサーであるJ.Y. Park氏の言葉に隠されたスターの原石を見立てるための工夫や配慮について解説する。(LINE株式会社 People Partner室 People Experience Designer 青田 努)
Nizi Projectにヒントがあった
ポテンシャルを精度高く見立てる工夫
本連載の前回記事では、Nizi Projectにおける人材輩出システムについて全体像を解説した。目指す人物像である「輝き続けるスター」に必要な人材要件として、Nizi Projectではいくつかの項目を設定し、それぞれの定義をしっかりと言語化していることが明らかになった。中でも後天的に伸ばしづらい要素である「スター性」や「人柄」、さらには「成長力」を持つ人を選んでいることもポイントだと紹介した(詳細は『Nizi Projectから学ぶ、必要とする人材要件の「言語化」の極意』)。
後天的に伸ばしづらい成長力というのは、言い換えればポテンシャルのこと。今回はそのポテンシャルをどう見立てればいいのかという審査・選考について解説する。フォーカスしたのは、下の図で虹色に囲った「原石たちを精度高く見立てる仕組み」の部分だ。
エンターテインメントの世界とビジネスの世界では前提が異なる部分も多いが、ビジネスパーソンが見てもヒントとなる部分が多数ある。Nizi Projectを単なるエンターテインメントとして消費せず、日ごろのビジネスに生かすための見どころをお伝えしたい。