ワタミ広報の菅氏は、そうした不安よりもニーズ拡大に期待を膨らませていると話す。

「唐揚げ専門店は多くの飲食チェーンが参入してきて競争の激しい業態です。しかし、家庭で揚げ物をする人が年々減ってきていて、かつ通年でマーケットがとても大きいので、今後も不安より可能性や期待のほうが大きいと考えています」(ワタミ広報・菅氏)

 帰り道に熱々の唐揚げを専門店でテークアウトすれば、帰宅して温め直す必要はない。共働き家庭が増え、男女共に多忙を極める現代社会のニーズにも合っている。専門店はスーパーやコンビニが苦手としている「揚げたてに近い状態の商品」の提供が可能であり、勝機はさらに広がると笠岡氏はみている。

「家庭で揚げ物をするのは非常に手間がかかりますよね。そこで、『揚げ物はスーパーの総菜を利用する』という人が増えていますが、今後はスーパーが持っていた消費者のパイも、専門店が奪っていく可能性があります」(笠岡氏)

 チェーンブランドが勢いを増し、個人店の出店も相次ぐと、いよいよ「唐揚げ大戦争」が勃発するだろう。そうなったときに最初に淘汰されるのは、必ずしも体力のない個人店とは限らない。マーケットが大きいからこそ、顧客のことを考え、その店のオリジナリティーを出せる唐揚げ専門店が、勝ち残っていくのかもしれない。

◇連載:#コロナとどう暮らす
この記事はダイヤモンド・オンラインとYahoo!ニュースによる共同企画記事です。新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた外食産業。飲食店の動きやトレンドの変化を通して、ポストコロナ時代の「食ビジネス」のあり方を考えます。