消費財メーカーではない
クボタが2位に食い込んだ理由
今回の調査では、メーカーからサービス業、流通などさまざまな業界の企業がランクインする結果となった。中心はBtoCビジネスを展開する一般消費者に身近な企業だが、これらの企業に交じって異彩を放っているのが2位のクボタだ。
同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、クボタの社会貢献活動について以下のように語る。
「クボタは農業機械や建設機械、水処理システムなどの産業用ディーゼルエンジンを扱うメーカーであり、普段の生活でなじみみがある人は多くないだろう。しかし、クボタの農機は東南アジアを中心に高い支持を集めており、性能や耐久性、アフターサービスの迅速さでこれらの国々における農業の発展を支えている」
それを踏まえた上で同研究所の森祐美子さんは、クボタが上位にランクインした結果について以下のように分析する。
「クボタは近年、長澤まさみさんを起用し、世界の『食』や『水』を支えてきたことを伝える印象的なテレビCMを流してきた。具体的に何をしている会社かCMを見ただけではわからなくても、社会貢献活動をしてきたイメージの定着にはこれが大きく寄与したのではないか」
事業を通じて社会貢献をするというのは、これから就職する若者には魅力的に映ることだろう。就活生がこれから企業研究などをするにあたっては、普段目にすることの多い一般消費財を扱う企業だけでなく、クボタのように陰で私たちの生活や困難な状況にある世界の人々を救う企業にも目を向けてほしい。
(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)