中国のベンチャーの「パクリ」が成功に大きく貢献している戦略的背景
中国ベンチャー企業が急速に成長できるワケとは? Photo:PIXTA

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のチーフ・エディターである吉川清史が豊富な読書量と取材経験などからレビューします。

亡くなった大御所作曲家と
中国ベンチャーの共通点

 今月12日、作曲家の筒美京平氏が亡くなったと報道された。享年80だった。大御所中の大御所で、これまでに約3000曲もの歌謡曲・ポップスを世に送り出してきた。売上枚数の多いシングル曲では、『魅せられて』『ブルー・ライト・ヨコハマ』『また逢う日まで』『ロマンス』『木綿のハンカチーフ』など。一定年齢以上の人ならば、少なくとも歌い出しやサビのフレーズぐらいは口ずさめる、国民的ヒット曲ばかりだ。

 押しも押されもせぬ大ヒットメーカーであり、「天才」と称されることも多い筒美氏だが、一方で、彼の作品に、洋楽曲から拝借したのではないかと疑われるメロディーやフレーズがしばしば登場すると指摘されることもあった。

 ただ、ベストセラー『ファンベース』(ちくま新書)の著者でもあるコミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之氏は、筒美京平30周年記念アルバムを紹介するネット記事の中で、こんなことを言っている。「イイトコドリをして、そこにプラスアルファして見事に違う曲に仕上げてしまう」

 最新の洋楽曲(時に複数曲)に、自分のオリジナリティーをミックスして、ヒット曲を生み出す。これは、いわゆる「パクリ」と言っていいものではないような気がする。

 佐藤氏は、筒美氏が初期の頃「月45曲」という超ハイペースで作曲していたという事実に驚いている。

 同様に、ビジネスの世界でもスピーディーにイノベーションを連発する企業は、時に「パクリ(模倣)」を指摘されことがある。その最たる例が、中国のベンチャー企業である。