米連邦準備制度理事会(FRB)によるエネルギー企業の社債買い入れを巡る追及がやまない。当局者は社債購入について、企業の借り入れを支える幅広い取り組みの一環で、経済が新型コロナウイルス危機を乗り切る後押しをする意図だったと説明している。
FRBの社債購入策に批判的な向きは、購入が化石燃料業界の命綱になったと指摘する。環境団体フレンズ・オブ・ジ・アースや非営利団体(NPO)のパブリック・シティズン、ベイルアウトウオッチが先月公表したリポートによると、石油・ガス会社は今年、およそ1290億ドル(約13兆5300億円)の社債を発行しており、そのうち約1000億ドル相当はFRBが社債購入策を開始した後に起債された。
フレンズ・オブ・ジ・アースのプログラムディレクター、ルーカス・ロス氏は、今年の借り入れ急増はFRBが支えたという以外に「説得力のある説明はない」と述べた。
FRBは社債購入策の意義を改めて強調し、責務の変更は議会次第だとしている。金融政策判断は下さないが政策を実施する重要な組織であるニューヨーク連銀市場グループの責任者、ダリープ・シン氏は先週、FRBが社債購入策で達成した役割について前向きな発言をしていた。