ホルムズ海峡封鎖「原油急騰」の行方、1バレル100ドル超えの過去の局面から学べることPhoto:NurPhoto/gettyimages

懸念される海峡封鎖の長期化
世界の石油消費の2割が通過

 アメリカとイスラエルのイラン攻撃は、イランがアメリカ軍の基地がある湾岸諸国などにも反撃に出る中で、中東全域が不安定化する事態になった。

 とりわけ日本にも影響が及んでいるのが、中東からの原油輸送の要であるホルムズ海峡が事実上、封鎖されたことだ。

 海峡を通過する原油・石油製品は、日量約1800万~2100万バレルとされる(注1)。これは世界の石油消費(現在は日量1億バレル強)の約20%に相当する。確かに大きな比率だ。

 このため、「ホルムズ海峡封鎖によって、世界の石油供給が大きく混乱する」との見方が広がっている。

 実際、原油価格(WTI原油先物価格)は、2月28日の攻撃開始後から急騰、3月8日には、一時1バレル119ドル台と、約3年9カ月ぶりの水準となった。2025年12月に同55ドルだったのが、100ドルを一気に突破した。そしてその後は90ドル以下まで反落し乱高下している。

 ホルムズ海峡封鎖は、原油価格にどれほどの影響を持ち得るのだろうか?

 この問題を考えるに当たっては、中東での短期的な動きに反応するだけでなく、原油価格がどのような要因で動いてきたのかを歴史的に確認する必要がある。

 2000年以降の原油価格の長期的推移と、その背景にあった主要な要因を振り返ると、原油価格変動を巡る基本構造が見えてくる。

 原油を巡る投機的な動きに翻弄(ほんろう)されないためにも、かつての教訓は重要だ。