コロナで加速、肉体労働もリモートの時代へ
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――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト

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 東京湾を見下ろす高層オフィスビルの1階にある月面基地内部を模したスペースで、コンビニエンスストアの商品陳列を行うのはヒューマノイド(人間型)ロボットだ。

 接客のためのロボットではない。裏方として陳列棚に商品を補充するといった地味な作業を行う。幅広い肩と大きく開いた目、ブーメランの形をした頭部、そして物体をつかむための見慣れない形状の手を持っている。

 ただ、あらかじめプログラムされた指示に沿って行動するわけではない。ローソンが開設した店舗で働くこのロボットは、まるで目に見えない長い糸で操られる人形のように遠隔操作されている。都内の別の場所で仮想現実(VR)ヘッドセットを着用した人物がその動きを制御している。

 創業3年の新興企業テレイグジスタンスが作ったこのシステムは40年近い研究の集大成であり、「地上のあらゆる仕事を別の場所から行えるようにする」という斬新な目標を商品化した初の事例だ。

 ビジネスチャットツール「スラック」やビデオ会議システム「ズーム」など数え切れないツールのおかげで、新型コロナウイルスが流行してもホワイトカラー労働者は在宅勤務が可能となった。同様にリモートワーク技術の第2波がすでに到来し、多くの業種で実現されている。「テレプレゼンス(遠隔存在)」と呼ばれる技術だ。