日立金属3200人削減,コロナ大失業時代
日立金属の大規模リストラをコロナ不況の影響と捉えるのは、一面的な物の見方に過ぎない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日立金属3200人削減の衝撃
何が起きているのか

 10月27日、日立金属が2022年までの中期計画の中で、来年度末までに3200人の人員削減を行うと発表したことが、波紋を呼んでいます。2019年度末の連結人員数が3万5400人ですから、これは全体の9%に相当する大規模な人員整理になります。

 日立金属は今期の最終赤字が、過去最大の460億円となる見込みを発表しています。巨額の赤字と大規模なリストラは、これから先に危惧される「コロナ大失業時代」の前触れなのでしょうか。アフターコロナの懸念点と日立金属の特殊事情の2つの側面から、このニュースを分析してみたいと思います。

 まず、日立金属のニュースが新型コロナによる大不況の到来を予感させる側面についてお話しましょう。大企業が3年先までを見据えて計画する中期事業計画の中で、大規模なリストラが不可避だと判断したという点が重要でしょう。短期的な問題ではなく、3年先を見据えて今のうちにスリム化を図らなければいけないという経営判断が、根拠としてあるということです。

 報道によれば、日立金属が想定する新型コロナによる影響は、今年度が16%の減収とされていますが、これは一過性のものではなく、2022年度以降も6~7%の減収と継続的に悪影響が続くとみているようです。需要が減少した分野としては、自動車、航空機、ロボット、スマートフォンなどが挙げられています。

 この中でアフターコロナ要因として注目すべきは、自動車と航空機でしょう。報道によれば、日立金属の今期の減益見通しの中で、自動車の電線材料の減損損失が20億円、航空機エネルギー事業の特殊鋼製品で68億円だといいます。リモートワークが定着し、移動や出張が手控えられるアフターコロナの世界では、過去とは違った需要構造になることが予測されています。

 全日空、日本航空が巨額の赤字を計上し、三菱重工がリージョナルジェットの開発計画を凍結する時代ですから、日立金属の航空機関連の需要が減少するという読みについても、構造的・立体的に捉えるべきだと思います。