米ペンシルベニア州ズィリノポにある背の低いビルの後ろに、機械的な構造物が高くそびえ立っている。そこでは油田サービス会社ディープ・ウェル・サービシズの従業員が、天然ガス採掘用のフラッキング(水圧破砕法を使った資源開発)施設を完成させるための、高度に専門化された作業の訓練を受けている。高給を得られるこうしたフラッキング関連の仕事は、最近まで拡大過程にあった。同社の従業員数は、2008年の25人から昨年には450人に増えた。新型コロナウイルスの世界的流行は、石油とガスの需要に大打撃を与えた。掘削の仕事は極めて低調となり、同社最高経営責任者(CEO)のマーク・マルモ氏は、100人前後の解雇を強いられた。成長が再開するかどうかはコロナ感染の状況と来週の大統領選挙次第だと同氏は指摘。民主党のジョー・バイデン氏が大統領になった場合は、規制が強化されて「事業の伸展は劇的に鈍化するだろう」と語った。