結婚の後悔(2)
「相手のルーツや価値観をもっと理解すればよかった」

 離婚原因ナンバーワンは男女、世代を問わず「性格の不一致」ですが、最初から性格がピッタリ一致することなどあり得ません。相手に好感を持てば許容量が増しますから、みんな性格が合って結婚したように錯覚しているのです。

 交際の段階で、性格が合わない、そりが合わない、生理的にダメというマイナス部分はある程度明らかになりますから、結婚を決断した以上は性格の一致、不一致はクリアしているはずです。

 それなのに、なぜ結婚後に「こんなはずじゃなかった」という後悔に遭遇するのでしょうか。1万人インタビューの後悔を総合すると、どうやら性格の不一致というより、価値観の不一致、もっと正確に言うなら「相手の価値観の理解不足」にあるようです。

 性格同様、個人の価値観がピッタリ一致することなどあり得ません。仕事観、教育哲学、モラルに関しての価値観は一致するけれど、金銭感覚が合わないというように、各カテゴリーによって「一致するもの」と「一致しないもの」があるはずです。

 その一致していないこと、つまり自分の価値観や常識を一方的に押し付けてしまったことによって、相手にはストレスが鬱積していき、ある時点で臨界点を超えて爆発するというのがお約束の破局パターンです。価値観というのは、育った環境によって育まれていることも多いので、非常に根が深い問題です。