結婚の後悔(3)
「言い方をもっと考えればよかった」

 コミュニケーションの取り方においてポイントとなるのは、お互いの「言い方」です。夫婦ゲンカの引き金というのは、だいたい「相手の言い方」にカチンときたことから炎上してしまうことがほとんどです。

 例えば、男性の言いがちな「結論から言ってくれるかな」とか「それってこういうこと?」などは、女性を怒らせるNGワードの代表格ですので、過去に大変な思いをした男性も少なくないはずです。

 最近ではあまりないかもしれませんが、「俺が一家を食わせている」「俺の時給をいくらだと思ってるんだ」という迷文句で別居した先輩たちもいるくらいです。

 一方、奥さんから旦那さんへのNGワードの最右翼は「○○してくれる?」「ちょっとは×××してくれない?」といった依頼のフレーズです。

 この言葉の破壊力に気づいている女性は多くないかもしれませんが、男性の多くは些細なことでも依頼されるのが大嫌いで、ちょっと何かを頼まれただけでも、それを負担に感じて、ストレスが急上昇するのです。

 すでに破局してしまいましたが、Iさんも旦那さんへの言い方をもっと考えればよかったと後悔している一人です。ある時、スーパーに行こうと歩いていたIさんは偶然、クルマで通りかかった旦那さんを発見し、停車してもらったそうです。ラッキーと思って、「スーパーに行くんだけど、乗っけてって」とニコニコ言ったIさんでしたが、返ってきたのは「えっー」という短い返事と、いかにも嫌そうな表情だったのです。

 旦那さんがその後、どんな予定があったのかはわかりませんが、女性からすれば、このリアクションに心が狭いと思うのは当然かもしれません。しかし、実際にこの場面でIさんの旦那さんと同じリアクションを取る男性は、女性がビックリするくらいに多いのです。

 言い方において、もしIさんがその後の旦那さんの予定や、そのときに急いでいるのかどうかを慮るフレーズがあれば、お互いに不愉快な思いをせずに済んだかもしれません。Iさんは旦那さんの状況を無視して依頼フレーズを使ったわけですが、旦那さんからすれば、気分的にどうしても一人でいたい理由があったのかもしれません。