先人たちの後悔が集中する
「夫婦生活」6つの食い違い

 先人たちが後悔するのは、結婚前には気づかなかったちょっとした生活習慣、育った環境の違いからくる考え方のギャップ、相手に言ってしまった暴言、相手の家族との付き合い方、はたまた浮気、セックスレスにいたるまで多岐に及びます。それは分類してみると、ざっくり以下の6つになります。

(1)家事・育児の分担
(2)相手の育ちや環境が与える人格不和
(3)コミュニケーションの取り方
(4)お金や時間に対する価値観の齟齬
(5)相手の両親との付き合い
(6)子育て哲学の違い

 6つのカテゴリーのうち、代表的な後悔は以下のようなものです。

(1)家事・育児の分担をしておけばよかった
多くの夫婦にとって、ケンカのほとんどの原因は「家事の分担問題」です。「やるといったのにやらない」「どちらかに任せっきり」という状態が慢性的になると、お互いの信頼関係は次第に壊れていきます。上手に分担するには、ルール決めがポイントになります。

(2)相手のルーツや価値観をもっと理解すればよかった
お互いが十分な愛情を持って結婚したのに、どうしても習慣や考え方の違いを理解し合えないことがあります。日常生活においては、育った環境や親の影響が、知らぬところに色濃く反映されているものです。それを受け入れるには、パートナーのルーツを理解する必要があるのです。

(3)言い方をもっと考えればよかった
夫婦がぶつかる大きな原因の一つに「言い方」「伝え方」があります。本当は大した問題ではないのに、相手のちょっとした一言にカチンときてケンカとなり、最終的に離婚へと発展するケースも少なくありません。夫婦といえども、お互いを肯定し合う関係づくりと、「伝える技術」を学ぶ必要は大いにありそうです。

(4)何にお金と時間を使うかの価値観が違った
お金と時間の使い方は、個人の価値観がもっとも如実に表れるところです。大切にしていることや将来に対するビジョン、休息の取り方についても、夫婦の食い違いは火種になりやすいものです。感情的にお互いの意見を主張し合うのではなく、「話し合う技術」が求められます。

(5)「相手の両親とうまく付き合えなかった」
結婚の難しいところに、「当人以外の問題」があります。古くからある嫁姑問題をはじめとして、義理の親とうまくいかずに離婚する夫婦は後を絶ちません。どれだけ本人たちがうまくいっていても、結婚には相性や愛情だけでは乗り越えられない壁があるのです。

(6)子どもの教育方針について意見が合わなかった
出産は結婚においても第2のターニングポイントとなります。育児においては、近年話題の「1歳危機」「産後クライシス」、子育てにおいても「叱り方」「お受験」などの考え方の違いからギスギスした関係になったり、離婚へといたる夫婦は激増しています。お互いが相手の価値観を受け入れ、変化・成長していくことが強く求められているのです。

では、次ページから、6つの後悔と、それを乗り越えた夫婦の対処法を具体的に見ていきましょう。