米大統領選がいよいよ大詰めを迎えると、候補者は最終的に自らに優位に働くと考えるトレンドや出来事に目を向けるものだ。まさに今、ドナルド・トランプ氏、民主党のジョー・バイデン氏の両陣営はこうした段階にある――そして、バイデン陣営にはやや多くの追い風が吹いているようだ。新型コロナウイルスは全米で再び猛威を振るっており、とりわけ勝敗を左右する激戦州の一部で感染が急拡大している。これは、トランプ政権のコロナ対応は失敗だったとするバイデン氏の主張を裏付けるものだ。株式市場が週半ばに急落したことも、選挙戦の終盤で、コロナ禍に対する米国民の懸念を強めた。バイデン氏は、全国規模でも激戦州においても、世論調査の結果で一貫してリードを保っている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCが共同で実施した世論調査でも、今年まだ態度を決めていない、もしくはいずれかの候補者を暫定的に支持すると回答していた有権者が、投票日を間近に控えてトランプ氏支持に一気に傾いたことを示す兆しは見られなかった。2016年の大統領選では、レース終盤でトランプ氏への支持が急増した経緯がある。
米大統領選が大詰めに、両陣営が求める追い風とは
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