ROEをひたすら追求する経営がコロナ禍で危険だといえる理由
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ROE重視経営は株主だけにプラスであり、株主以外のステークホルダーやマクロ経済にはマイナスであるから、好ましくない。(経済評論家 塚崎公義)

ROAは重要だが
ROEは危険

 企業が効率的に利益を稼いでいるかを判断する材料としては、ROA(Return On Assets)とROE(Return On Equity)が通常用いられる。ROAは利益を総資産(バランスシートの左側であり、当然ながら右側も等しい)で割った値であり、ROEは利益を純資産(バランスシートの右下)で割った値である。

 ROAは、株主と銀行から調達した資金を効率的に利益につなげているかを判断するものであり、ROEは株主から調達した資金を効率的に利益につなげているかを判断するものだ。株主にとっては当然ROEの方が重要であるから、株主を重視した経営を要求するときには高いROEを求めることになる。

 株式会社は、法律上は株主が金もうけのために作ったものであるから、株主の利益を最優先すべきだ、という理屈は十分理解できるが、それを追求しすぎると他のステークホルダーやマクロ経済にとって不利益が生じかねない。