米国株式市場バイデン候補や民主党幹部らが過去に表明した景気対策の内容から、バイデン・民主党政権が実現した後の米国株の下落リスクを考察する(写真はイメージです) Photo:PIXTA

大統領選挙は予想外の大接戦
開票プロセスへの疑義も

 米大統領選挙は引き続き集計が続いているものの、バイデン候補の優勢が伝えられている。事前の世論調査では、バイデン候補がトランプ大統領に対し、全米ベースで約10ポイントの差を安定してつけており、市場では開票の序盤でテキサス州やフロリダ州でバイデン候補が勝利し、早々に勝負がつくとの見方すらあった。

 しかしフタを開けると、バイデン候補は接戦州で次々と敗北し、世論調査では一貫して優勢を維持して接戦州とすら認識されていなかったラストベルト各州すら、落としかねない状況まで追い込まれた。

 ところが開票が終盤に入り、郵便投票の開票が本格化すると様相は一変。バイデン候補は、それまでトランプ大統領が大きくリードしていたミシガン州、ウィスコンシン州で急激に追い上げ、ついに逆転を果たした。開票中盤まで共和党の過半数の可能性が濃厚と伝えられていた上院でも、民主党は終盤になって猛烈に追い上げており、共和党が51議席を獲得するか、50対50にハリス副大統領が加わることで上院も民主党が実質的に支配するかの、ぎりぎりの攻防となっている。

 トランプ大統領は、すでに独自に勝利宣言を行っており、選挙結果を受け入れずに裁判に持ち込む考えを示している。終盤のバイデン候補の追い上げがかなり急激だったこともあり、ソーシャルメディア上では開票プロセスに疑義を唱える声も続出している。早くも支持者間での傷害事件が起きているが、今後も選挙結果を巡る暴動が予想され、米国の分断がさらに進むのは避けられない状況だ。