パワートレーンは豊富にラインアップしている。お勧めはスカイアクティブXである。スカイアクティブXは、SPCCI(火花点火制御圧縮着火)を採用、世界で初めて実用化に成功したガソリン圧縮着火エンジンだ。1997ccの排気量から180ps/6000rpm、224Nm/3000rpmをマークする。

 アクセル操作に対して素直にスッと前に出るツキのよさ、常用域でのフラットなトルク感、そしてレッドゾーンまで綺麗に吹き上がるレスポンスのよさなど、各領域でエンジンの美点が堪能できる。まさに自然なフィーリングの持ち主だ。

 中でも数値に表れない部分、高度にバランス取りされた“高精度エンジン”のような繊細なフィーリングと心地よいサウンドは大きな魅力。“究極の実用エンジン”という称号が似合う。

 惜しいのは6速AT。変速のステップ比が広いうえに、ビジーなシフト制御のためスムーズネスにやや欠ける。“滑らかな走り”の面で、トランスミッションが足を引っ張っている部分がある。多段化すれば、印象はガラッと変わるに違いない。

 高い静粛性は特筆に値する。CX-30自体が静かなクルマだが、スカイアクティブXの場合は、エンジン周囲を包み込む“カプセル吸音”によって、遮音対策を徹底。ノイズ成分が大幅にカットされている。静かさは上級モデルのマツダ6以上だ。

 CX-30は、マツダのクロスオーバーラインアップの中で最良の仕上がりといえる。これほど魅力的だと心配になるのが、CX-3/CX-5のユーザーを奪ってしまいそうなことである……。

(CAR and DRIVER編集部 報告/山本シンヤ 写真/大西 靖)

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