写真はイメージです Photo:PIXTA

かつて氷河期世代と言われていた人たちの多くは、40代になっている。社会に出るスタート地点で時代の恩恵とは正反対のものを受け取った世代のサバイブとは何だったのか。バンドマンとして、非正規として働いてきた筆者が振り返る。(フリーライター 武藤弘樹)

大卒就職率は過去最高
2020年に振り返る就職氷河期

 今年4月に発表された文科省の調査によると、2020年3月の大卒者の就職率は98.0%となった。2011年頃から雇用市場は上向き加減で、今回の数値は2018年3月と並んで過去最高らしい。めでたいことである。
 
 この数値を眺めてめでたく思いつつも、胸の奥にうらやましさ、ねたましさがくすぶるのは就職氷河期世代である。筆者はバリバリこの世代で、生まれは1980年だが、1浪1留の親不孝を経たので新卒入社が2005年。氷河期のピークは2000〜2003年頃と言われているので、最も厳しい時期というわけではないが、それなりに厳しい思いをして入社に至った。
 
 また、価値観は、生まれた時代によってある程度左右される。雇用市場で必要とされにくかったわれわれ世代は、おそらくガッツが養われたような気がしている。筆者は生き方からして世代の代表とは到底言えないが、だからこその少し異なった視点もあると信じて、この40年を振り返りつつ就職氷河期について考えてみたい。