内定獲得まで、就活生の戦いは続く Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの感染拡大で2021年卒の就職・採用活動は混迷した。就活生も企業側も対面での就職・採用活動が困難になった上、企業側はコロナ禍で業績の先行きが不透明となり、採用を中止する企業も出た。数年来、売り手市場といわれてきた新卒採用は果たしてどう変容したのか。新卒の求人倍率から読み解く。(ダイヤモンド・セレクト編集部 前田 剛)

新卒求人倍率は前年から低下
再び就職氷河期に突入するのか?

 果たしてコロナ禍で再び就職氷河期が到来するのか――。

 リクルートが8月6日に発表した2021年卒の大学生・大学院生を対象とした新卒の求人倍率(求人総数÷民間企業の就職希望者数)を見てみよう。求人倍率とは求職者1人に対して何件の求人があるかを示す数値で、1倍以上ならば求職者1人に対して1件以上の求人がある(=職が見つけやすい)ことを示し、1倍未満ならば求職者1人に対して求人が1件未満である(=職が見つけにくい)ことを示す。

 まず全体の求人総数は、前年の80万4700人から12万1700人減少し68万3000人となった。企業の採用意欲が減退していることがあらためて明らかになった格好だ。一方、就職希望者数は前年比7600人増の44万7100人となり、その結果、全体の求人倍率は1.53倍と、前年の1.83倍から0.3ポイント低下した(図1参照)。

 数字は確かに低下している。就活生からすれば、すわ就職氷河期の再来か、と不安になるだろう。しかし、リーマンショック後の11〜14年当時、求人倍率が1.2倍台程度で推移していたのと比べると、決して低い水準とはいえない。さらに就職氷河期の真っただ中だった2000年の求人倍率が0.99倍だったことを考えると、高水準とさえいえるだろう。

 コロナ禍で確かに企業の採用意欲は減退しているが、一足飛びに就職氷河期になるとは考えにくい。バブル崩壊後の1990年代後半〜2000年代前半まで採用を極端に抑えた結果、会社の中核を担うべき40歳前後の人材が極端に薄くなっていることが大きな経営リスクとなっている。企業としてはこうした反省から、一定数の新卒採用は継続するとみられる。