東京で行われたニュース番組,ジョー・バイデンPhoto:Takashi Aoyama/gettyimages

――筆者のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト

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 大統領選の週の初め、全ての専門家が語るべきだった言葉は、一人一人の投資家が多くの場合に心に留め置くべき言葉と同じだ。

 それは「私には分からない」だ。

「ブルーウェーブ」や、あるいは反対にドナルド・トランプ大統領の地滑り的勝利を予測した世論調査会社やケーブルテレビのニュースはどれも間違っていた。そこから導き出すべき教訓とは、政治は予測不可能だとか、いわゆる専門家はもっと謙虚になるべきだということだけではない。読者の皆さんは、投資に関する自分の確信も、これと同じように間違っているのではないかと自問すべきである。

 専門家よりも個人の方が、予測においては重要な優位性を持つ。第一人者が頻繁に「分からない」と言えば、ケーブルテレビや公の場などに再び招かれることはないだろう。そうした場では一貫性や確実性、あるいは自信が、少なくとも正確性と同じくらいに重要だ。しかし読者の皆さんには、自分の無知を認めたり、何百万人もの前でメンツを失うことなく考えを変えたりできる自由がある。

 衝動的な決断をすれば不確実性もコントロールできるようになるだろう、とごまかすのではなく、不確実性を受け入れるのが秘策だ。