鉄筋コンクリート写真はイメージです Photo:PIXTA

日本にマンションが登場したのは1950年代のことで、いまや戸建に並ぶ一般的な居住形態として定着している。鉄筋コンクリート造で堅牢なイメージのあるマンションだが、それでも年を追うごとに建物や設備は老朽化し、やがてその“寿命”を迎えることになる。そのために、どうしても視野に入れておかなければならないのが、マンションの建て替えだ。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)

地震も戦争も風雨もなんのその!
鉄筋コンクリート造の建造物

 私がマンション管理組合コンサルタントとして携わらせていただいているマンションは、その建物形状から総戸数、築年数にいたるまで、実にさまざまだ。その中で、築20年、30年、あるいは40年を経過したマンションの理事の方から、「マンションの建て替えについて、どのように考えたらいいか」という質問を受けることがある。

 築年数を重ねたマンションであれば、建物の将来は当然気になる問題だろう。結論から言うと、「マンションの建て替えはできるだけ避けたほうがよい」というのが私の考えだ。

 その理由を、耐久性の観点から説明していきたい。分譲マンションの構造として最も多いのは「鉄筋コンクリート造」である。建築・住宅用語で「RC造」といわれるものだ。