この自賠責保険料から交通事故対策のために積み立てられた資金は、被害者やその家族の命を支えるさまざまな事業に用いられることになっている。

 その貴重な自賠責保険料の積立金が、国家財政困難を理由に特別会計から一般会計に貸し出されたまま、いまだに返済されずにいる。これがずっと問題視されているのだ。

自賠責保険料は
「自動車ユーザーの自助」のためのもの

 ここ3年間は、被害者救済対策の重要性と事業の持続可能性を踏まえた判断により、平成30年度予算で23.2億円、令和元年度は37.2億円(補正12.5億円)令和2年度は40.3億円が一般会計から繰り戻された。毎年度の繰り戻し額については、法律や大臣間合意に基づき財務省と国交省の協議の上、決定するという。

 それでも、積立金が大きく取り崩されている状況は変わりない。

 11日の赤羽国交大臣への要望では、(1)自動車安全特別会計から一般会計に繰り入れられている自賠責保険料積立金・剰余金を可能な限り早期に返済を、令和3年度予算の繰り戻し額は積立金を取り崩すことなく被害者救済事業等が十分に実施できるよう増額を、(2)交通事故被害者救済や事故防止対策のさらなる充実をはかるとともに、この問題に関し十分な説明責任を果たしてもらいたい、とした。

 赤羽大臣は、理解を示し「前向きに対応していく」としたが、問題は国の財政との関係で財務省との折衝となる。

 先述したように、もともと自賠責保険料は、税金ではなく「自動車ユーザーの自助」のためのものであり、「共助の精神」で創設された。早く返済してもらうのは当然のことだ。

 11日の赤羽国交大臣との面談には、福田弥夫座長、高倉明自動車総連会長、坂口正芳JAF副会長、山岡正博日本自動車会議所専務理事に加え、桑山雄次全国遷延性意識障害者家族の会代表、横山恒同副代表がリモート参加した。