ニトリと島忠Photo:Diamond

創業者である似鳥昭雄会長を出迎えるため、社員が“拍手の練習”までするニトリホールディングスは、似鳥会長を絶対視し、上意下達が徹底された社風で知られる。同社が表明している株式公開買い付け(TOB)の対象となっている家具・ホームセンターの島忠もまた複雑な事情を抱えるが、社員はニトリHD傘下で、果たして満足できるのだろうか。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

似鳥会長の存在は絶対なニトリHD
上意下達の強烈な社風に島忠は…

「拍手のコツは、強く、素早く両手をたたくこと。ちょっと練習してみましょうか」――。

 家具製造販売大手のニトリホールディングス(HD)の元社員の男性は数年前、自身が出席した入社式の光景が忘れられない。数百人の新入社員にあいさつを述べる創業者の似鳥昭雄社長(当時、現会長)を出迎えるため、事前に拍手の練習をさせられたのだ。