大戸屋Photo:Diamond

コロワイドの子会社になった大戸屋ホールディングスの一部の従業員に対して、コロワイド側が自宅待機の命令や、事実上の退職勧奨を行っていることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

TOBに反発した大戸屋社員に自宅待機
始まったコロワイドの“恐怖政治”

 自宅待機、事実上の退職勧奨…。コロワイドによる大戸屋社員への”恐怖政治”が始まった――。

 11月4日、定食チェーン「大戸屋」を展開する大戸屋ホールディングス(HD)は東京都内で臨時株主総会を開催し、経営陣の刷新が可決された。

 大戸屋への敵対的TOB(株式公開買い付け)を成立させた筆頭株主である外食大手コロワイドの提案により、大戸屋HDの役員10人が解任。代わってコロワイドに株式を譲り渡した大戸屋創業家の三森智仁氏や、コロワイドの蔵人金男会長の長男である賢樹専務ら7人が新たに大戸屋HDの取締役に就任した。

 2019年10月、大戸屋創業家のコロワイドへの株式譲渡を発端に始まった大戸屋HDの経営権争い。コロワイドは大戸屋側の反発をはねのけて20年9月に敵対的TOBを成立させ、株式の保有割合を47%にまで引き上げた。

 今回の臨時株主総会で大戸屋の経営陣を刷新したことで、コロワイドと大戸屋の経営権争いに終止符が打たれた。いよいよコロワイドによる大戸屋“支配”が始まることになる。

 コロワイドが経営の主導権を握って早速、一部の大戸屋従業員に対して、自宅待機や事実上の退職勧奨などの“粛正”が始まったことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。