バイデン勝利は覆るのか?
米大統領選の「不正」を検証
アメリカの次期大統領はジョー・バイデン氏に決まりで、もう結果が覆ることはない、という前提でお話ししますが、今回の米国大統領選挙、本当に不正はなかったのでしょうか。
現時点では、ドナルド・トランプ大統領は敗北宣言を拒否しており、この先、再集計をめぐる法廷闘争が続くと見られています。トランプ側の弁護士に就いた元ニューヨーク市長のジュリアーニ氏によれば、「今回の選挙が盗まれた証拠が3、4の州で見つかっている。10州かもしれない」と発言しています。
実際は、これから見つかる証拠は些細なものばかりで、選挙結果が覆るほどの事態にはまずならないと思います。実は、トランプ大統領は以前からアメリカの選挙制度の不正を疑っており、2017年には全国規模で選挙不正を調査する委員会を立ち上げました。そのときも「今まで全国規模の調査は行われていない」と意気軒高だったのですが、結局委員会は証拠を見つけられず、8カ月で委員会は解散しました。
不正が疑われるのも不正が見つからないのも、どちらも原因は同じだと言われています。アメリカ大統領選挙では各州の州知事が絶大な権限を持っていて、大統領の権限が及ばないのです。実際、今回の選挙でも接戦州の開票で共和党の立ち合いが認められなかったと、トランプ陣営は不満を漏らしています。
そこで、不正が本当はあったのかどうかということですが、今回は「不正はたぶんあった」という状況証拠についてお話ししたいと思います。その証拠とは、以前も一度記事にした統計学における「ベンフォードの法則」です。
これは、自然現象から社会現象までさまざまな統計数字にある一定の法則が働いていて、それに作為的に手をいれると統計的な痕跡が残る、というものです。ベンフォードの法則を調べることで、粉飾決算を見破ったり、加工されたフェイク写真をコード解析で見分けたりといったことができることが知られています。
そして選挙結果も、不正が行われると得票数の分布数字が不自然に偏るので、見分けられるというのです。具体例で見てみましょう。