ドナルド・トランプ氏が2016年に大統領に当選したのは、グローバリゼーションや移民、自由貿易への反発と広く受け止められた。今年はこうした問題がほとんど注目されなかった。トランプ氏の選挙運動でも、演説や広告で触れられることはほとんどなく、出口調査で有権者が最重要視する問題にも上がらなかった。だがそれは、2016年が例外だったということを意味するのではなく、グローバリズム――国境を越えて人やモノ、資本、アイデアの流れが増えるのは不可避で、いいことだとする信条――が再び勝ち誇っているというわけでもない。トランプ氏は特定の政策より(新型コロナウイルス対応は例外だが)、しばしば分断をあおり、規範を破る行動が、より大きな敗北要因になったともいえる。現代の国家主義運動は代表格のリーダーを失ったとはいえ、米国外では依然として勢いを保っている。
試されるバイデン氏の手腕、国家主義の風潮消えず
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