「マウスを使わずにパソコンの操作をする」。最近、この「脱マウス」への関心が高まっている。新刊『脱マウス最速仕事術』を上梓した森新氏は、その背景には、マウスとキーボードの間を手が幾度となく行き来する「時間のムダ」と「作業ストレス」の改善へのニーズがあると言う。森氏は独自に研究を重ね「脱マウス」のメソッドを開発し、年間88万回ものクリック数を削減、「年間120時間のムダ」を解消した。セミナーの参加者からは、「誰でもマスターできる!」と大好評だ。本連載では、満足度97%超のメソッドを凝縮した『脱マウス最速仕事術』(ダイヤモンド社)の内容から、時短に大きく貢献する「脱マウス」の技術をお伝えしていく。(初出:2020年11月21日)
[Insert]キー
[Insert]キーを押すと、上書き挿入のモードになります。
これにより問題が起こるのは、すでに入力してある文字の間に別の文字を追加したいときです。
たとえば、「脱マウスのステップ」と入力した文字を「脱マウスの5つのステップ」に修正するとします。
普通は「の」の次にカーソルを置いて「5つの」を入力します。このときに上書き挿入モードになっていると、既存の「ステッ」の3文字が新しく入力した「5つの」と置き換わり、「脱マウスの5つのプ」になります。
これは多くの人が経験したことがあるトラブルでしょう。
文字を挿入したかったのに、既存の文字を上書きしてしまうのは[Insert]キーを押して上書き挿入の状態になっているためです。これは[Insert]キーを押すと解除できます。
上書き挿入にするつもりはなかったのに、知らないうちに上書き挿入になるのにはワケがあります。
[Insert]の近くにあるキーを見てください。多くのキーボードでは[Delete]キーがそのあたりにあるでしょう。
[Delete]キーは、操作中に頻繁に利用します。そのときに誤って[Insert]キーを押すことがあるのです。
[Insert]キーを押しても、その場で何かが起こるわけではないので、気づかないまま操作を続け、文字を修正しようというときに、「前に入力した文字が消えていく!」というトラブルになるわけです。
[Insert]キーは押すたびに上書き挿入モードのオンとオフが切り替わるので、ぜひ覚えておいてください。
★著者インタビュー「だから、この本。」★
第1回 オフィスワーカー全員が「脱マウス」すれば、日本の生産性は急上昇する
第2回 なぜ、よく使うショートカットキーは“キーボードの左側”に集約されているのか?
第3回 エクセルで発覚! 仕事が「できる人」と「できない人」を隔てる決定的な差とは?
第4回 “Ctrl”や“Shift”ってそういう意味だったのか! 話題の「ショートカットキー記憶術」が抜群に役に立つ理由