個人のパソコン作業を効率化する。その一点に徹底してこだわり、話題となっている『脱マウス最速仕事術』。この本では「ショートカットキーをマスターする方法」すなわち「脱マウス術」が解説されているのですが、そもそもマウスを使わない方が本当に効率的なのか。今回は『脱マウス最速仕事術』の著者である森新さんに「マウスを使う方が早い作業」と「遅い作業」について、たっぷり話を聞いてみました。(取材・構成/イイダテツヤ、撮影/疋田千里)

――この本では「脱マウス」を提唱しているのですが、やっぱりパソコン作業ではマウスを使わない方が絶対的に効率的なのでしょうか。

 いえいえ「マウスは使わない方が絶対いい」なんてことは全然なくて、マウスを使った方が早い作業も当然あるんです。むしろ、みなさんに知って欲しいのは「マウスを使った方が早い作業」と「遅い作業」はきれいに分かれるという点です。これを知っておくことがすごく大切です。

 PowerPointやインターネットは、マウスを使った方が絶対的に早いです。でも、それ以外のソフトに関しては基本的に脱マウス、キーボードでやった方が早いです。たとえば、メールソフトの場合、片手でキーボードを叩き、メールを書いている人はいないので、左手はもちろん、右手もキーボードの上にあります。

 でも、その作業の途中で何度もマウスを使うとなると「キーボード → マウス → キーボード → マウス」という移動が頻繁に起こります。みんな当たり前のようにやっていますけど、これってけっこうな手間で、非効率なんです。

 Excelなんかも同様で、多くの文字や数字を打ち込む作業をしているのに、頻繁に右手がキーボードから離れてマウスへ行く。かなりのロスになっています。一方で、インターネットをやっているときは、ほとんどマウスを握ったまま作業ができてしまうので、無理に脱マウスをする必要はありません。こうした違いを理解して、マウスの依存度を変えることが大切なんです。

森新(もり・あらた)
ショートカット・Outlook研究家
1988年高知県生まれ。北海道大学工学部を卒業後、サントリーフーズ株式会社に入社。サントリーグループ内にて、営業や管理系部門を経て現在新規事業に携わる。自らの働き方改革に取り組むなかで、PCスキル獲得による業務生産性の大幅向上の余地を発見。ライフワークとして研究を重ね、独自にノウハウを蓄積。研究したノウハウをスキルシェアサイト「ストアカ」を通じて発信したところ、個人だけでなく法人からも講演オファーを受ける大人気講師に。最高ランクとなるプラチナバッジを獲得。本書の内容のベースとなるショートカットキーのセミナーの満足度は、97%と極めて高い評価を受けている。また、メディアからの注目度も高く、FNN系列「Live News α」や日本テレビ系列「マツコ会議」に出演するなど、数々のメディアに取り上げられている。著書に、『アウトルック最速仕事術』、『脱マウス最速仕事術』(ダイヤモンド社)がある。

――この本は「脱マウス」を謳っていますが、必ずしも「マウスを使ってはいけない!」という話ではないんですね。

 けっこう誤解されるんですが、そこは大事なポイントです。もともと私が「脱マウス」を研究したり、提唱するきっかけとなったのは、あくまでも「ホワイトカラーの可処分時間を増やしたい」という思いからです。だから、別に「脱マウスがいい」「キーボードオンリーでなければダメだ」なんて言うつもりはまったくなくて、「どうしたら、もっとも効率がよくなるか」をひたすら追求しています。

「脱マウス」が効率的なところでは徹底してそれを目指しますし、そうでない部分はもっとも効率がいい方法を選べばいい。単純にそう思っています。「完全脱マウス」を実施することが目的ではなく、脱マウスのスキル、ノウハウを身に付けることで、常にベストな方法を使い分けられるようになる。これが重要だと思っています。

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