社会を変えることに使命感を覚え、新しい道を行く若きリーダーたちは、どんな原体験に支えられ、どのように育ってきたのか。LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)に特化した求人情報サービスなどを手掛けるJobRainbowの星賢人さんは、自身も自らの性的指向に悩む青春時代を過ごしました。(聞き手/ダイヤモンド編集部論説委員 深澤 献)
自らの性的指向に悩み
“ネットカフェ通学”の日々
――千葉県浦安育ちですね。子供の頃はどんな遊びをしましたか。
四つ上の姉、真梨子と、幼い頃はセーラームーンごっこなどをしていたり、幼なじみも女の子ばかりだったので、おままごとや「ちょっと、奥さん」などと言い合う井戸端会議ごっこをしていました。とはいえ、女の子になりたいと思っていたわけではありません。
――ご両親は。
父は弁護士で、母は専業主婦でしたが、親戚は皆、医者や経営者などで、勤め人はいなかったので、サラリーマンとして働くというイメージが湧きませんでした。そのせいか、幼い頃の夢は「社長になる」でした。
ただ、父はめちゃくちゃ頭はいいんですが、結構な“不思議ちゃん”で、2年間全く仕事をせず、お金がなくなったら仕事をするというような働き方をしていたので、母にはサラリーマンへの憧れがあったようです。
――お姉さんはどんな方ですか。
姉は優秀だったんですよね。何でも楽々とこなしてトップになる子供で、中学受験をして女子校ではトップの桜蔭に進みました。
2番目の僕に対しては、親は肩の力を抜いていたと思いますが、僕は出来損ないで姉を超えられません。国語の成績は良かったのですが、それだけです。だから、小学生のうちから、姉と別の道を探したいと思うようになりました。