――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  新型コロナウイルス禍に見舞われた20年は、世界のほとんどがひどい苦しみを味わっている。だがそうした中にあって、中国の電気自動車(EV)メーカー、上海蔚来汽車(NIO)は、ひん死の状態にあった19年から息を吹き返し、猛スピードで突っ走っている。  NIOの米国預託去証券(ADR)は年初来で1000%超上昇し、時価総額は米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜き去り、630億ドル(約6兆5400億円)に達した。わずか1年弱前には資金の工面に苦しんでいたことを踏まえると、これはなおさら驚くべきことだ。