新型コロナウイルス禍に見舞われた20年は、世界のほとんどがひどい苦しみを味わっている。だがそうした中にあって、中国の電気自動車(EV)メーカー、上海蔚来汽車(NIO)は、ひん死の状態にあった19年から息を吹き返し、猛スピードで突っ走っている。NIOの米国預託去証券(ADR)は年初来で1000%超上昇し、時価総額は米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜き去り、630億ドル(約6兆5400億円)に達した。わずか1年弱前には資金の工面に苦しんでいたことを踏まえると、これはなおさら驚くべきことだ。同社は昨年12月には、向こう12カ月分の運転資金をまかなう現金も持っていなかった。だが今年4月には、政府系金融機関から資金注入を受け財務危機を脱した。また、米同業テスラの株価が年初から428%上昇して時価総額が自動車メーカーで世界最大になると、NIOの株価や資金調達にも追い風となり、9月の株式売り出しでは17億ドルを調達した。
息吹き返す中国EVのNIO、飛ばしすぎにご用心
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