新築マンション市場は
立地と価格でまだら模様

 好調な住宅市場だが、新築マンション市場だけはやや事情が異なる。緊急事態宣言後には回復傾向にあるものの、他と比べると回復は鈍い。

 一戸当たりの専有面積は、かつては3LDKといえば70平米が当たり前だった。だが、この数年間で価格上昇が進む中、価格を抑えるために専有面積は60平米台前半に縮まり、さらに設備をはじめとする仕様も明らかなグレードダウンが見られるなど、魅力が薄れたことが影響していると思われる。

 それでも販売に苦戦している現場がある一方で、たとえば大江戸線勝どき駅直結の「パークタワー勝どきミッド/サウス」のモデルルームは予約が数分で埋まる大活況で、第1期販売から抽選となりそうで、立地や価格水準によって販売動向はまだら模様を呈している。

 90年のバブル崩壊やリーマンショックのようないわゆる「金融システム破綻」が今回起きなかったため、無制限金融緩和で市場には膨大なマネーが残り、これらが向かう先には当然不動産も含まれている。複数の海外ファンドが数千億円規模で、先進国の中で割安感があり、またコロナの影響も相対的に軽微な日本、とりわけ東京の不動産を物色する動きがあるとの情報もある。

 現行の日経平均株価水準を誰も論理的に説明できないのと同じで、高水準にあると思える不動産市場においてもますます理屈は成り立ちにくくなるどころか、さらなる局地バブルが発生する可能性が高いだろう。

株式会社さくら事務所創業者・会長 長嶋 修)