米国と欧州諸国では秋に入ってから新型コロナウイルスの感染が急増し、各国はその対応に苦闘している。だが、北欧の2つの小国フィンランドとノルウェーは例外で、生活上の厳しい制限なしに感染を抑制できている。両国は欧米諸国の中で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の死亡率が最も低く、感染者数も少ないという成果を誇る。しかも両国は、欧州諸国でロックダウン(都市封鎖)が再導入される中で、経済・社会活動を総じて継続しながらも、こうした成果を達成している。スウェーデンは強制的な規制措置の導入を拒否したことで世界の注目を集めたが、死者・感染者の急増を受けてこの政策を反転させた。これに対し、北欧の隣国であるフィンランドとノルウェーの状況は、パンデミック(感染症の世界的大流行)の最悪の状況を回避できているアジア諸国に最も近い例として、欧州の中で際立っている。