グリーンランド、トランプ氏の野望から逃れられずグリーンランド大学の北極圏安全保障専門家イェッペ・ストランズビェルグ氏

【ヌーク(グリーンランド)】デンマークはこの1年、ドナルド・トランプ米大統領のグリーンランド獲得の野望に対処するため、同島は売り物ではないと伝え、北極圏の防衛費を増やし、トランプ氏の熱意が冷めることを期待してきた。

 世界最大の島であるグリーンランドの中心都市ヌークでは、同島にトランプ氏が執着し続けるという認識が高まっており、グリーンランド人は米国と関わる計画を立てる必要があるとの見方が広がっている。グリーンランドの独立派政治家アキ=マチルダ・ヘーグ=ダム氏は「グリーンランド住民の大半は、そうした対話が必要だと考えていると思う」と語る。

 かつてはとっぴな考えとみられていた米国によるグリーンランド購入は、トランプ氏と側近の一部が米軍のベネズエラ侵攻後に同島の支配を改めて要求したことで、ヌークではますます現実味を帯びている。ホワイトハウスは武力によるグリーンランドの奪取を排除していない。

 マルコ・ルビオ米国務長官は5日、非公開会合で議員らに対し、米政権による最近のグリーンランドへの威嚇は差し迫った侵攻を示唆するものではなく、目標はデンマークから同島を購入することだと伝えた。7日には、デンマーク側がトランプ政権関係者からの批判に対処すべく会談を要請したことを受け、来週ワシントンでデンマークとグリーンランドの当局者と会談すると述べた。

 トランプ氏は、米国は国家安全保障上、グリーンランドが必要だと述べ、同島におけるデンマークの防衛体制を批判してきた。デンマークは、米国はすでに同島に軍事的プレゼンスを有しており、グリーンランドおよびデンマークと協力してそれを拡大できると反論している。デンマーク当局者はトランプ政権の要求を緩和させるべく、安全保障上の懸念に対処するため米政府と協議する用意があると述べている。

 デンマーク国際問題研究所の上級研究員ウルリック・プラム・ガッド氏は「ルビオ氏との会談を求めることは、この戦略における一歩前進と言えるだろう」と語った。