なんとか2020年の終わりも見えてきたが、ホリデーシーズンの「風物詩」ともなっているのが、12月のドル資金の急激な逼迫(ひっぱく)だ。ただ、投資家は今年、これを特には懸念していないようだ。近年、特に国外投資家にとって、米ドル建ての短期借入コストは、大手銀行が規制による資本積み増し(サーチャージ)を回避するために活動を控えるため、12月に急騰することが多くなっている。今年は、米連邦準備制度理事会(FRB)が、この再発を防ごうと多くの力技を見せている。6月には、外国中央銀行の通貨スワップ残高は約4500億ドル(約46兆7000億円)と、民間金融機関が二の足を踏む中でドルを渇望する外国銀行に調達手段を提供した。